耐震設計における免震構造や制振構造は、現代の超高層ビル等を地震から守るために考えられた構造なので地震には絶対的な強さがあり、最新の建築技術のように思いますが、耐震設計には実に1400年の歴史があるというと疑われ人も多いことでしょう!
1400年前というと西暦600年代になりますが、かの聖徳太子が607年(推古15年)に建てた日本に現存する世界最古の木造建築、奈良の「法隆寺五重塔」が現代にも通用する耐震設計を採用しているのです!
一度火災で670年に全焼したとの記録があの「日本書紀」に載っていますが、それが689年に再建されてから、実に1300年以上、定期的に修繕されながら現在まで健在です。
法隆寺五重塔は「耐震設計の教科書」と言われ、塔の中心に地面から上部まで貫通した「心柱」が建物の強度を上げ、建物の50%を占める大屋根を持った5つの層を下から積上げた構造となっています。各層はゆるく留めることで、地震の際は各層がお互いにくねくねと横揺れすることで地震の振動を軽減し、倒壊するほどの揺れに対しては、各層の床が心柱にぶつかることで、倒壊するほどの横揺れを防ぎ、同時に横揺れも制限し、振り子のような構造で創建以来、40回以上発生したとされるマグニチュード7.0クラスの地震を乗り越えて来た中で、震度7の揺れもかなりの回数があっただろうと思われます。
しかも、ひさしに瓦を積むことで、落雷による火災で燃え広がらないように耐火の工夫もされています。
過去の大地震にも耐えた法隆寺五重塔は、全体で見れば免震構造となりますが、「心柱と大屋根」が制振構造で、「独立した5つの層」が免震構造のハイブリッド構造と言えるかも知れません、そこが耐震設計の教科書と言われる所以ですね!
東京スカイツリーには、この法隆寺の心柱の構造に似た「心柱制振構造」という技術が使われています!
東京スカイツリーでも、中心に独立した長い柱「心柱」を入れることで、タワーとは独立して地震の振動を打ち消し合う法隆寺と同じ構造が、現代の最新の超高層建造物に再現されていることは、日本の建築技術の素晴らしさと日本の先人の方たちの技術の高さに驚かさせるばかりです!!
しかも法隆寺の免震構造は、まだ完全には解明出来ていないことに衝撃を受けます!
最新のコンピューターシミュレーションと強度設計を駆使した現在建築技術の粋を誇る東京スカイツリーと、約1400年前、計算機も無かった時代に建てられたの歴史のある法隆寺五重塔が共通した耐震技術で、今の日本の地に共存することは、人間の知恵の素晴らしさと歴史の偉大さを噛み締める思いです!
タワマン社長のマンションも免震構造を採用しているので、法隆寺五重塔の流れを汲んでいると言えなくもありません(笑)
1400年の長き時代を耐え抜く耐震技術を持った日本の建築物は、これからも沢山の地震に耐え抜いて行くことでしょう!
つづく(笑)